愛犬の足裏の事情について


犬の肉球の基本情報

犬の肉球は何のためにあるのかご存知でしょうか?実はこの肉球、

犬が生活するうえで重要な役割を果たしているようです。

 

犬の肉球は5つのパーツから構成されています。

  1. 掌球(しょうきゅう):中心にある大きな肉球
  2. 狼爪(ろうそう):掌球の少し下にある内側の小さな爪、前足の狼爪には骨や筋肉もあるが、後ろ足の狼爪を持たない犬種もいる。
  3. 手根球(しゅこんきゅう):狼爪の少し下にある1つの肉球
  4. 指球(しきゅう):爪があるところの4つの肉球

 

 


肉球の色について

小さい子犬のころはピンク色で成長してくると徐々に黒くなってくる犬が多いですが、遺伝的な要素が大きいため、子犬のころから黒い犬や成長してからもずっとピンク色をしている犬もいます。肉球の色はメラニン色素の影響を強く受け、潜在的にメラニン色素を多く持つ犬ほど肉球が黒くなるといわれています。

肉球の硬さ

犬の肉球は年齢や生活する環境により硬さが違います。生まれたての赤ちゃんは肉球がやわらかく、成長していくにつれて硬くなっていきます。

また、散歩機会の少ない室内犬は肉球が柔らかいまま育ち、室外犬はデコボコした場所を散歩する機会が多いので、肉球が適応して硬くなる傾向があります。

肉球の骨

肉球にも骨があり、この骨に沿う形で腱や靭帯、血管、結合組織が構成されています。

肉球の構造

肉球は正六角形または正六角柱を隙間なく埋めたハーニカム構造をしています。肉球の外側は角質化した硬い皮膚で覆われていますが、内側は脂肪と繊維組織からなる弾力のある組織で構成されています。

表面は円錐状突起の集まりでできていて、ブレーキや滑り止めの役目を果たしているようです。


肉球の役割について

  • 体温調整機能:人間は汗をかくことで体温調整をしていますが、犬はパンティングとよばれる舌を出してハァハァと呼吸をすることで熱を外へと排出させます。パンティングだけで体温調整できないときは、肉球から汗を出して体温調整します。犬の汗腺は鼻の頭と肉球しか存在しないようです。
  • クッション機能肉球は全体重がかかる足先を保護し、人間で例えるならば靴の役割を果たしています。また、肉球の中でも真ん中の大きな掌球や4つの指球は衝撃を吸収しています。犬が飛び跳ねたりして衝撃が足の関節や骨などに掛かると肉球が緩衝材の役割を果たし、衝撃を和らげます。
  • 地面からの冷たさや熱から体を守ります犬には角質層が厚い肉球があるので、地面からの熱を感じにくいようです。そのおかげで多少温度の高い場所を歩いても火傷をしたりしにくいようです。また寒い場所でも元気に走り回れるのは、肉球の裏の静動脈が冷えてもすぐ近くを通る動脈が温め直すからです。

肉球のトラブルについて

【火傷】(やけど)

肉球のおかげで地面からの熱を感じにくくなってはいるものの、夏のアスファルトや砂浜など非常に高温になっているところを歩くと火傷の原因になってしまいます。

軽い火傷の場合は水や保冷剤をタオルでくるんだものなどで冷やして対処しましょう。

基本的に犬は足先を触れられるのを嫌いますが、嫌がってもしっかりと冷やすことが大切です。

また、足を引きずって歩いたり、歩くことを嫌がったりするほか

肉球の色が普段より黒ずんでいたり真っ赤になっている、肉球が腫れ上がっている、水ぶくれができてしまっているなどの症状がある場合は肉球の火傷が悪化してしまっていることが考えられます。

                                  できるだけ早くかかりつけの獣医師に診察してもらいましょう。                                                                

 


肉球のトラブル その2

 

【指間炎】(しかんえん)

 

指の間が傷ついたり、濡れた状態のまま放置していると、犬がその部分を舐めてしまうことによって、汚れが付着して炎症を起こしてしまいます。

 

足の裏は常に清潔を保ち、濡れたままにしないようにしましょう。

 

炎症がみられる場合は動物病院に行って炎症を抑える薬や抗生剤での治療が必要になってきます。


 

肉球のケアについて

 

肉球のケアは愛犬の健康にとって大切なので

しっかりとしてあげましょう。

 

肉球がカサついている場合は肉球に専用クリームを施してあげろことで解消します。

 

また肉球マッサージには、血行促進、リラックス効果、ケガや病気の

 

早期発見にも効果があるとされていますので、やり方を覚えて定期的にしてあげると良いですね。


  肉球のマッサージの方法

  1. 水で指先を少しだけ濡らして犬の肉球をやさしく撫でてあげます。
  2. 手の温度で少しだけ温めた犬専用のクリームを両手の親指で広げるようにして塗り込みマッサージする。肉球と肉球の間も忘れず丁寧になじませること。
  3. 最後に足を包み込むようにして軽くギュッと握ってあげる。

嫌がる様子がなく、犬がリラックスしているのであれば①から③を5分~15分程繰り返し行う。 

肉球のマッサージの際、神門(しんもん)とよばれるツボを押してあげると喜びます。(手根球の下にある窪んだ所にあるツボ)このポイントを押してあげることで副交感神経が刺激されて気持ちが落ち着く効果がありますので、よりリラックス効果を高められるかもしれません。

愛犬の肉球に目を向けて定期的なケアをしてあげると良いですね。