愛犬のニオイ問題について考えてみる
愛犬のニオイは、一緒に暮らしていて気になるものの一つですね。そのニオイは何処から来るのでしょう。
そして、どう対処していくのがいいのでしょうか?
じつは、愛犬のニオイは「体臭」「口臭」「排泄物臭」の3つが主な原因です。
人にある汗腺ですが、犬にも汗腺があります。
汗腺からの分泌物が体臭の原因になる!?
人間と同じように犬にも2種類の汗腺があります。
私たちが運動などで流すサラッとした無臭の汗。
この汗は体温調節などを目的にして全身のエクリン腺から分泌されます。犬の場合、エクリン腺は鼻の頭の部分と足裏の肉球にだけ備えていて、運動後に触ってみると湿っています。
もう一種類の汗腺がアポクリン腺といって、人間なら脇の下や口、生殖器周辺など体のごく一部からしか分泌されない汗ですが、犬はこれを全身に備えています。
アポクリン腺から出る汗はペタッとしており、この汗腺は、皮脂腺と直結していて汗とともに皮脂が分泌されます。分泌されて皮脂が時間とともに酸化して、この酸化した皮脂成分を好む細菌の分解作用で独特なニオイが発生します。
このニオイの元はイソ吉草酸といわれ、ムレた靴下と同じニオイ成分です。これが犬の体臭として臭うものですが、犬にとっては個体識別の役割を担っていますので、犬たち同士の相手を知るうえでの大切なニオイでもあります。
体臭対策はブラッシングとシャンプーで。
場合によっては生活の見直しを
体臭を発する原因がわかったら、
どう対処しましょうか?
ブラッシングは、皮膚表面のムダ毛を取り除き、風通しを良くするので、ニオイ対策の基本といえます。
愛犬とのコミュニケーションも兼ねて1日1回はしてあげたいですね。
湿らせたタオルなどで体を拭くのは、被毛についた汚れとともにニオイの元も拭き取れるので、ブラッシングと合わせてやっておきたいことですね。ドライシャンプーを併用すれば、さらに効果が高まります。そして、シャンプーですが頻繁に洗いすぎてしまうと、皮膚表面にある脂分を落としすぎてしまい、乾燥や皮膚免疫機能を阻害してかえって皮膚病を招いたり悪化させ たりすることがありますので加減することが必要です。
成犬なら月1~2回のシャンプーが適当とされています。
愛犬にも生活改善が必要?
犬の体臭の原因は次にあげるのようなことが原因とも考えられています。
たとえば、たんぱく質や脂質をとりすぎて腸内細菌のバランスを崩していることが原因であるとか、皮膚疾患が原因であるとか、食生活を見直したり、獣医師の診断に基づいた的確なアドバイスを受けて、愛犬の生活改善をしてあげましょう。
愛犬の口臭の原因は口内衛生!?
犬は自分で歯磨きできません。口内衛生を健全に保つためには
毎日のケアが必要です。
愛犬の口内衛生環境が悪いと、歯の間にはさまって食べカスを栄養源として細菌が繁殖していきます。繁殖した細菌は歯垢とよばれる塊になり、周囲の組織に炎症を引き起こします。これが口臭の原因です。
ほかにも硬いものや尖ったものを噛んで歯茎に傷がついて、この傷から炎症が広がることもありますが、この場合は炎症が治まれば自然と口臭も消えていきます。
食べカスが残るのは、柔らかい粘着度が高いフードやおやつを食べている犬に多く、この状態が進むと歯肉炎や歯周炎、やがて歯周病へと 症状を悪化させていきます。
歯周病は全身疾患です
歯周病は口内衛生の問題だけでなく、内臓を含めた全身疾患へと体全体に影響を与える可能性がある病気です。
犬は人間のように自分で歯磨きなどで歯のケアができませんので、飼い主がケアしてあげましょう。
ちなみに、歯垢から歯石に変わるまでに要する期間は2日ほどです。歯垢は歯ブラシでも落とせますが、歯石は通常の歯ブラシでは落とせなくなりますので、獣医師の施術を受けることになります。
歯磨き以外にも歯のケアができるものとして歯のケア用玩具、ガムなどがあります。適宜に使って愛犬の口内環境を清潔に保ってあげましょう。
口臭の原因がほかにも?
歯のケアを万全にしてもなお口臭が治まらない場合は、乾いたタオルで愛犬の歯を拭いてみましょう。タオルが臭くなければ口内に原因はなく、
胃腸炎にかかっていたり、腸内環境のバランスが崩れていたりする可能性がありますので、かかりつけの獣医師に診察を受けてください。
耳の中が臭う時はどうすればいいの?
犬にとって耳は重要な器官であり敏感な場所でもあります
そんな場所を触っても怒ったり嫌がったりしないのは
信頼の証でもあります
健康な犬の耳には、耳垢やムダ毛がなく、すっきりとしています。
臭うようでしたら、やさしく掃除をしてあげましょう。
脱脂綿やガーゼにイヤーローションをつけて指でやさしく拭き取ります。
バセットハウンドやゴールデンレトリバー、ビーグルなどの垂れ耳の犬種は特に耳の中が不衛生になりやすいので、きちんと耳のケアをしてあげてください。
一度に徹底してきれいにしようとせず、やさしく丁寧に見える範囲のケアだけでも十分ニオイを薄くできます。
無理をして耳を傷つけてしまうと以降、掃除をさせなくなることも。
耳の奥のケアは動物病院で
耳の奥は動物病院で、ダニなどの寄生や外耳炎、皮膚病などのチェックも兼ねてケアしてもらった方が安心です。トリミングサロンでもすっきりときれいにしてくれます。
排便や肛門腺などのニオイ対策について
基本的に排泄物は、したら即始末が一番です
誰もが最初に思い浮かべる嫌な臭い
といえば排泄物のニオイです。
排泄物のニオイ対策として一番は、したら取り除くことです。
そのためには、愛犬の生活リズムを知って、いつトイレに行くのかを把握しましょう。
普通なら、食事の前後やお散歩の中でうんちをしますし、大抵は同じ時間帯にすることが多いです。それは犬が飼い主の生活リズムに合わせて生活しているからです。おしっこは寝起きや食事の前後、水を飲んだ時にすることが多いようです。
うんちが臭うのは当然のことですが、ある程度軽減する方法があります。それは、犬の腸内環境を良好に保つことです。
食事やおやつの量が多すぎたり、運動不足などでストレスがかかると
胃腸の調子を崩してうんちが臭くなります。
肛門腺のニオイって知ってました?
犬が発する最も強烈なニオイ、それは肛門腺から出てきます。
肛門腺とは、犬の肛門の左右にある液状の分泌物が入った袋状のものです。この袋から排便時に分泌液が肛門に流れ出てくるようになってます。
普段は排便時に出てしまいますが、これが溜まっていると臭います。室内犬(特に小型犬)に多いので、トリミング時に絞ってもらいましょう。
飼い主でも絞ることは出来ますが、強いニオイなのでおすすめしません。
ほかの気になる足裏や耳の奥の掃除も含めて、ペットサロンなどにお任せして定期的にきれいにしてもらいましょう。
愛犬のおしっこのニオイ対策について
おしっこは犬たちの名刺代わり!?
犬のおしっこって、
なぜニオイがきついのでしょうか?
犬のおしっこは尿そのものに含まれるニオイと、尿を栄養源として
繁殖する微生物が生成するアンモニアのニオイとがあります。
特に気になるのはアンモニア臭です。
悪臭の原因物質
アンモニア・硫化水素・トリメチルアミン・メチルメルカブタンなど
生ごみ・トイレ・ペットの排泄物臭等の不快臭の原因物質。
おしっこのニオイには個体ごとに特徴があり、大きさや犬種、性別や年齢、強さや性成熟度までわかるそうで、犬のアンモニア臭に対する識別能力は人間の1億倍あるそうです。
犬がお散歩の時に、地面や草むら、電信柱など、ほかの犬が付けていったおしっこのニオイを嗅いで回っているのは、ニオイを探して情報収集をしているからです。そのうえで自分のニオイをかけて縄張りを誇示しているのです。
犬にとってのマーキングとは、名刺のようなものなのです。
犬のおしっこ臭を除去するには?
お散歩中にしたおしっこが体の一部にかかったり、おしっこした場所を踏んだりして足裏にニオイをつけて部屋に戻ることはありませんか?
室内でトイレをしている犬の場合、おしっこするタイミングを知り、用事が済んだらすぐに交換するのが最も効果的なニオイ対策です。
おしっこは寝起きや食事の前後、そして水を飲んだ後にすることが多いようです。時間を置くと、おしっこしたシートの上に座り込んだり、踏んだりした際にニオイが付いてしまいます。その足で室内をペタペタと歩き回っていたら、部屋中におしっこのニオイを撒いているようなものです。
そのニオイを除去するにはどうすればいいのでしょうか?
まずは、足裏やお尻まわりを犬に害のない消臭液をかけて、濡れたタオルやティッシュペーパーで拭きましょう。部分的に洗うのもいいでしょう。
続いてお部屋もきれいにしておきます。ニオイがしみ込みにくい液体ガラスコーティングで床や腰壁をコーティングするのもおすすめです。
その際、脱臭剤や漂白剤を使って拭けば、より一層ニオイ除去の効果が高くなります。
その上で、消臭スプレーをしたり、アロマの香りなどをお部屋に振りまいて、犬と一緒に飼い主も快適な空間に仕上げましょう。
お家の中の犬のニオイ対策について
愛犬のニオイを家の中から減らすには
どうすればいいでしょうか?
愛犬のニオイ対策でお悩みの飼い主は、意外と多いようです。
具体例として
1:換気(空気の脱臭、清浄)24時間換気システムなど
2:床や絨毯の清掃
3:家具や壁面の拭き掃除
4:犬に無害で好ましい香りを散布(お好みで)
ニオイの問題は日常的なケアや管理が重要になってきますね。
消臭分解効果のある機能性壁紙や珪藻土壁、漆喰壁、脱臭機や空気清浄機の併用もおすすめです。最近ではウイルス除去機能や、除湿加湿などの付加機能がついた魅力的な製品も増えてきています。
※機能性壁紙とは、室内の悪臭の原因物質を吸着し、触媒機能によって水や二酸化炭素などの安全な物質に分解放出して室内の空気を浄化する機能を持った壁紙のことです。現在は、豊富なスタイル、バリエーションがそろってインテリア性も高いアイテムです。
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